最初にお断りします。この記事は捕獲のやり方を教えるものではありません。
当サイトが書けるのは、行政と公的機関の公開情報から確認できたことだけです。すべて出典を付けるので、同じ手順で確かめられます。
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確認日:2026年9月10日
確認できたこと
- アナグマ(ニホンアナグマ)は日本固有種です。学名は Meles anakuma(愛知県)
- 外来種ではないので、外来生物法の対象になりません
- ただし環境省の狩猟鳥獣一覧には、アナグマと載っています。性別の指定はありません
- 愛知県はレッドデータブックに「情報不足(DD)」として選定しています。国のレッドリストには載っていません
- 選定理由に挙げられているのは、狩猟圧です。減少要因には、農産物への被害を理由とした捕獲が挙げられています
- 完全な冬眠はしません(愛知県)
- 当サイトが調べた131自治体のうち、アナグマを制度の対象にしていたのは5自治体だけでした
ハクビシンでもアライグマでもありません
当サイトは動物別に法律の位置づけを整理してきました。アナグマは、そのどれとも違います。
表は横にスクロールできます。
愛知県のレッドデータブックに、こう書かれています。
Meles anakuma Temminck
学名に anakuma と入っています。 日本にしかいない動物です。
つまり、当サイトがハクビシンの記事で書いた「重点対策外来種」ですらありません。 外来種の枠組みの外側にいます。
それでも、狩猟鳥獣です
環境省の狩猟制度のページに、狩猟鳥獣の獣類20種が並んでいます。
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(雄)、シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ
「アナグマ」と、そのまま書かれています。
ここで、当サイトがイタチの記事で書いたことと比べてください。イタチは「イタチ(雄)」 です。テンには「ツシマテンを除く」という条件が付いています。
アナグマには、何も付いていません。
在来種で、日本固有種で、それでも狩猟の対象です。 「日本にしかいない動物だから守られている」わけではありません。
狩猟期間も同じです。
北海道以外:毎年11月15日~翌年2月15日 北海道:毎年10月1日~翌年1月31日
被害が出るのは、たいてい狩猟期間の外です。 狩猟以外で捕まえるには、イタチやハクビシンと同じく自治体の捕獲許可が要ります。
同じ動物が、獲る対象でもあり、心配される対象でもあります
ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。
愛知県のレッドデータブックは、ニホンアナグマを「情報不足(DD)」に選定しています。 ページの見出しには、こうあります。
愛知県:情報不足 (国:リスト外)
国のレッドリストには載っていません。 愛知県だけの判断です。
選定理由がこう書かれています。
県内のアナグマについては断片的な情報しか得られていないが、分布域は不連続的で狩猟圧もあるため今後個体数を減少させる可能性がある
「狩猟圧もあるため」。 環境省が狩猟鳥獣に指定している一方で、県はその狩猟圧を減少要因として挙げています。
減少の要因についても書かれています。
農産物への被害を理由とした捕獲
被害対策としての捕獲そのものが、減少要因として挙げられています。
当サイトは、どちらが正しいと言うつもりはありません。 ただ、アナグマは他の害獣と同じ感覚で扱われる動物ではないということは、知っておく価値があると思います。
なお、確認できたのは愛知県の1県だけです。 兵庫県版レッドリスト2017の哺乳類には、アナグマの掲載がありませんでした。都道府県ごとに判断が違います。
完全な冬眠はしません
愛知県の記載です。
完全な「冬眠」はしないが、厳冬期には穴の中にこもってなかなか外にでないことがある
これは音の手がかりになります。 冬に物音が減ったからといって、いなくなったとは限りません。「なかなか外に出ない」だけの可能性があります。
食性と繁殖も書かれています。
ミミズ類、昆虫類、両生類、果実類などを食べ
1回に1~4仔を産む
首都圏でも増えています
環境省が2022年9月30日に、タヌキ・キツネ・アナグマの生息分布調査の結果を公表しました。2010年度から2021年度までの約10年間を対象にした調査です。
アナグマについて、こう書かれています。
近畿や九州、首都圏周辺での分布拡大傾向がみられ
九州はほぼ全域で連続的に生息情報が得られ
生息情報は26,665件です。「山にしかいない動物」ではありません。
同じ調査で、タヌキについても大都市圏での分布拡大の傾向が報告されています。
穴を掘る動物です
神奈川県のページに、こう書かれています。
タヌキと間違えられやすいですが、タヌキよりも足が短くずんぐりとした印象です。長い爪を持ち、穴を掘ることが得意です。ミミズや甲虫類の幼虫を食べたり、迷路のような巣穴を作ります。
「穴を掘ることが得意」「迷路のような巣穴」。 愛知県も「低山帯の森林に巣穴を掘り」と書いています。
アナグマは、掘る動物です。
ただし、当サイトは「アナグマが床下に入る」と書いた一次資料に当たれていません。 住宅のどこに入るのかについて、行政の資料で確認できたものがありませんでした。推測では書きません。
見分け方は、尾と足です
当サイトは屋根裏の音の記事で、広島県の資料をもとに4種の見分け方を書きました。
| 見分けるポイント(広島県の記載) | |
|---|---|
| アナグマ | 「尾は短く、特に模様はない」「足も短く見える」 |
| タヌキ | 「眉の白さはありません。また、耳もアライグマほどしっかりとは立っていない」 |
表は横にスクロールできます。
広島県は、アナグマがハクビシンと間違われやすいと書いています。 おでこが薄く見えるためですが、ハクビシンのような明確な白い筋はありません。
神奈川県はタヌキと間違えられやすいと書いています。つまり両方と間違われます。
自治体の制度は、ほとんど対象にしていません
当サイトは131自治体の制度を調べました。捕獲器の貸出・業者派遣・補助のいずれかがあったのは87自治体です。
そのうち、アナグマを名指しで対象にしていたのは5自治体だけでした。
- 八王子市(東京都・業者派遣):ハクビシン・アライグマ・タヌキ・アナグマ
- 金沢市(石川県・貸出):ハクビシン・タヌキ・アナグマ
- 松江市(島根県・貸出):アライグマ・タヌキ・アナグマ等
- 福山市(広島県・貸出):注記に「アナグマ」を含む
- 厚木市(神奈川県・貸出):アライグマ・ハクビシン・タヌキ・アナグマ等
87分の5です。 制度がある自治体でも、アナグマなら使えない可能性のほうがずっと高いということです。
理由は自治体データベースの記事に書いたとおりです。多くの自治体の制度は、特定外来生物であるアライグマの防除の枠で作られています。 アナグマは外来種ですらないので、その枠に入りません。
まず、自分の自治体がアナグマを対象にしているかを確認してください。
この記事が書けなかったこと
- アナグマが住宅のどこに入るのか。 床下なのか屋根裏なのか、行政の資料で確認できませんでした
- 全国の都道府県のレッドリストでの扱い。 確認したのは愛知県と兵庫県の2県だけです
- 全国の自治体の制度。 確認したのは131自治体です
- 駆除の料金相場。 依頼していないので金額を書けません。費用の記事に、出典のある数字だけを並べています
- 追い出しや侵入口の封鎖の方法。 当サイトが実行して確かめていないので書きません
- アナグマによる住宅被害の件数。 公表している資料を見つけられませんでした
