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動物別

アライグマの駆除は、
市役所がやるのか。

131自治体のうち106が制度の対象にしていました。ハクビシンより多いです。

この記事でわかること

  1. 131中106が対象

    アライグマを制度の対象にしている自治体は106。ハクビシンの71より多いです。

  2. 39は市の業者が捕獲

    うち39自治体では、市や区の委託業者が箱わなを設置して捕獲します。

  3. 運搬も放すのも禁止

    捕まえて山に放すのは二重に違法です。特定外来生物なので運搬自体が規制されます。

目次

最初にお断りします。この記事は捕獲のやり方を教えるものではありません。

当サイトが書けるのは、法律と行政の公開情報から確認できたことだけです。すべて出典を付けるので、同じ手順で確かめられます。

この記事の末尾には広告リンクがあります(2026年10月11日から)。 106自治体のうち、市や区の業者が捕獲するのは39でした。41はわなを貸すだけ、20は相談に応じるだけで、その場合は自分で設置するか、業者に自分で頼むことになります。業者に頼む人のために、当サイトが公表情報だけで調べた4社の記事を末尾に並べました。そのうち提携している3社(駆除ザウルス・ハウスプロテクト・害獣BUZZ)の「公式サイトを見る」ボタンが広告リンクです。 順位はつけていません。提携の有無で、調べた内容は変えていません。 自治体の記述はすべて公式ページから確認したもので、広告とは無関係です。

確認日:2026年9月25日(法律の部分の確認は2026年9月10日)

この記事は2026年9月25日に大きく訂正しました。 以前のタイトルは「市も捕獲してくれません」でしたが、当サイト自身の131自治体の調査と食い違っていました。 経緯は記事の最後に書いてあります。

確認できたこと

  • アライグマは特定外来生物です。外来生物法の規制がかかります
  • 飼養等(飼育、栽培、保管及び運搬)が原則禁止(環境省)
  • 放出等(野外へ放つ、植える及びまく)も原則禁止(環境省)
  • 環境省は「その場で殺処分できる場合を除き、特定外来生物を生きたまま運搬することは法律違反」と明記しています
  • 鳥獣保護管理法の捕獲規制も、別にかかります
  • 131自治体のうち106が、アライグマを制度の対象にしていました(ハクビシンは71)
  • うち39自治体では、市や区の委託業者が箱わなを設置して捕獲します
  • ただし大阪市のように、許可を出すだけの自治体もあります

いちばん誤解されている点から書きます

「捕まえて、山に放してやればいい」

これは、2つの法律違反を同時に踏む可能性のある行為です。

環境省の外来生物法のページに、禁止行為が並んでいます。

飼養等(飼育、栽培、保管及び運搬)

これが原則禁止です。捕まえた個体を運ぶこと自体が、規制の対象に入っています。

放出等(野外へ放つ、植える及びまく)

これも原則禁止です。放すこと自体が禁止されています。

つまり、運ぶのも駄目、放すのも駄目です。善意でやったとしても、変わりません。

環境省は、はっきり書いています

環境省の「防除に関するQ&A」に、こう書かれています。

その場で殺処分できる場合を除き、特定外来生物を生きたまま運搬することは法律違反になってしまいます

「その場で殺処分できる場合を除き」という条件がついています。

そのうえで、抜け道ではなく正規の手続きが示されています。

しかし、事前に「防除の公示」「防除の確認・認定」の手続を行うことで、それらの行為が適法に実施可能になります

手続きを踏めば適法にできる、ということです。 逆に言えば、手続きなしで捕まえた個体を車に載せた時点で、問題になり得ます。

そして、捕まえた後の扱いについても書かれています。

防除で捕獲した動物については、殺処分を想定することが基本となります

これが制度の前提です。 特定外来生物の防除とは、そういう仕組みだ、ということです。

「誰でも防除できる」という記載の読み方

同じQ&Aに、こういう記載もあります。

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律で規制されている哺乳類と鳥類の捕獲を除けば、誰もが自由に防除を行うことができます

ここを取り違えないでください。

「誰もが自由に」の前に、鳥獣保護管理法で規制されている哺乳類と鳥類の捕獲を除けば、という条件が付いています。

アライグマは哺乳類です。 つまりこの除外に、そのまま当てはまります。

自由に防除できるのは、鳥獣保護管理法の規制がかからない生き物の話です。アライグマの捕獲には、鳥獣保護管理法の許可も要ります。

市役所がやることは、自治体で3つに割れます

当サイトは131自治体の公式ページを1件ずつ確認しました(2026年9月10日調査/2026年9月25日に全件を再検証)。

アライグマを何らかの制度の対象にしていたのは106自治体です。 同じ調査で、ハクビシンは71でした。アライグマのほうが35多いことになります。

理由は法律です。アライグマは特定外来生物なので、都道府県が防除実施計画を作り、市区町村がそれに参加する枠組みがあります。 ハクビシンにはそれがありません。

中身は3つに割れます。

市区町村がやること件数実際に起きること
委託業者が捕獲する39市や区の委託業者が来て箱わなを設置し、捕獲・引取りまで行う
箱わなを貸す41窓口で借りる。設置・毎日の見回り・餌の用意は自分
相談に応じるだけ20捕獲も貸出もしない。許可の出し方や業者の紹介先を案内する
補助金を出す4市は駆除しない。業者に払った費用の一部を補助する
対応しないと明記2私有地の駆除と費用は所有者の責任、と書いている

表は横にスクロールできます。

「市も捕獲してくれません」は、正しくありませんでした。 106のうち39では、市や区の業者が実際に捕獲します。

業者が捕獲する自治体の例

2026年9月25日にブラウザで原文を確認したものだけを挙げます。

中野区は、根拠になる計画まで書いています。

区では、東京都の策定した「アライグマ・ハクビシン防除実施計画」に基づき、「箱わな」を設置してハクビシン・アライグマを捕獲・駆除する事業を行っています。

(中野区「ハクビシン・アライグマによる被害が続いたら」更新日2025年5月22日)

台東区は、対象になる建物を限定しています。

区では、アライグマ、ハクビシンが棲みついた民家(民有地)や寺社を対象に「箱わな」を設置して捕獲・駆除する事業を行っています。

(台東区「アライグマ・ハクビシンについて」更新日2026年7月2日)

港区は、前提に条件節が付いています。

対策に必要な協力及び了解が得られる場合、区が委託した専門業者を派遣して現地調査を行い、必要と認められる場合は、資格を有する業者が捕獲・引取りをします。

(港区「ハクビシン・アライグマ対策」更新日2026年5月22日)

39件のうち21件が東京都でした。 東京23区は23区のうち19区がこの型です。東京都がアライグマ・ハクビシン防除実施計画を策定していることが効いています。

借りるだけの自治体の例

いちばん多いのは箱わなを貸す41件です。「市が対応しています」と書いてあっても、作業するのは住民です。

福岡市の記載です。

アライグマによる生態系や生活環境への被害を防止するため、防除従事者の登録を受けた方に、アライグマ捕獲用箱わなを貸し出します(農業被害は対象外)。

借りるには防除従事者の登録が要ります。 そして費用はこうです。

費用:無料(箱わな設置時に使用する軍手や餌などは借用者の負担になります。)

箱わなは無料でも、毎日の見回りと餌の補充は借りた人の仕事です。

箱わな設置後は、毎日の見回りや餌の補充等の管理を行ってください。

(福岡市「特定外来生物「アライグマ」について」更新日2026年7月24日/2026年9月25日にブラウザで確認)

許可を出すだけの自治体の例

大阪市は、許可を出すところまでです。アライグマは「大阪市が捕獲を許可できる鳥獣」の哺乳類リストに入っています。手数料も無料です。

許可申請手数料は無料です。

ただし、捕獲するのは申請者本人です。

※ 申請は必ず捕獲を実施する本人が行ってください。

簡易捕獲器の貸出はイタチだけで、アライグマでは借りられません。郵便での申請も受け付けていません。

(大阪市「有害鳥獣の捕獲許可の手続き」更新日2026年2月13日/2026年9月25日にブラウザで確認)

同じ国の同じ動物で、東京23区は19区で区の業者が来て、大阪市では自分で許可を取って自分で捕獲します。

ハクビシンと逆になる自治体もあります

アライグマだけを対象にして、ハクビシンを外している自治体が42ありました。 「捕獲器を貸します」と書いてあっても、ハクビシンでは借りられないということです。

逆は7件だけです。 仙台市・山形市・新潟市・春日井市・杉並区・松本市・金沢市は、ハクビシンが対象でアライグマの記載がありませんでした。

自治体のページを見るときは、制度名ではなく対象動物の行を見てください。 詳しくはハクビシンの駆除を市役所に頼めるのかと自治体の制度データベースにまとめてあります。

結局、どうすればいいのか

当サイトが確認できた範囲で言えることは、次の3点です。

  1. 捕まえて運ぶ・放すは、自分の判断でやらない
  2. まず自分の市区町村の公式ページを開く。 131中106に制度がありました。業者に電話する前に、ここを見てください
  3. 制度がある場合、業者が来るのか、わなを借りるだけなのかを確認する。 やることの量がまったく違います
  4. 業者に頼む場合は、許可の申請を誰がやるのかを確認する

当サイトは屋根裏の音の記事で、尾に縞模様があればアライグマだと書きました。この見分けが、そのまま手続きの分かれ道になります。 タヌキだと思って対応した相手がアライグマだった場合、扱うべき法律が変わります。

この記事が書けなかったこと

  • 殺処分の具体的な方法。 環境省は薬剤や二酸化炭素を用いた手法に触れていますが、当サイトが実行して確かめたものではないので書きません
  • 罰則の金額。 環境省のページには別ページへのリンクがあるだけで、当サイトはその内容を確認していません
  • 131自治体のうち、当サイトがブラウザで原文を直接読んだのは8件だけです(中野区・港区・台東区・大阪市・熊谷市・岡崎市・豊田市・福岡市)。残りは公式ページを1件ずつ取得して突き合わせたもので、同じ精度ではありません
  • 全国1,700余りの市区町村のうち、確認したのは131です。 ここに載っていない自治体のほうが圧倒的に多いです
  • 駆除の料金相場。 当サイトは依頼していないので金額を書けません。費用の記事に、出典のある数字だけを並べています
  • どの業者がアライグマに対応しているか。 各社の記載は業者の比較記事で扱っています

各社の調査記事

順位はつけません。同じ項目を、同じ形式で並べています。

駆除ザウルス

AAAアライアンス5社が運営。全社の代表取締役名と、施工スタッフ10名の実名・顔を公開しています。保証が付かない場合があることを明記している唯一の会社です。

ハウスプロテクト

運営は株式会社GROWTH。わな猟・狩猟免状の番号を11件公開しています。代表者名・設立年・料金表は公式サイトにありません。対応は32府県で、茨城県は含まれません。

害獣プロテック

運営は株式会社花光と株式会社廣光の2社。料金・代表者・設立年の記載はなく、10年の破損保証も条件は非公開です。東北は福島県のみが対象です。

害獣BUZZ

販売会社は株式会社リブシー。2023年4月設立で、代表取締役名は公開されています。対応エリアは地図のみで、都道府県の一覧は公開されていません。

依頼する前に確認すべきこと

  • 自分の市区町村に、アライグマの防除の枠組みがあるか
  • 罠の貸し出しがあるか。 ある場合、捕獲後の扱いはどうなるのか
  • 業者が捕獲許可の申請をしてくれるのか
  • 捕獲した個体を、業者がどう扱うのか
  • 見積もりは書面で出るか。 作業前に、総額と内訳を
  • 捕獲だけなのか、侵入口の封鎖まで含むのか

出典

  • 環境省「何が禁止されているの?」外来生物法(env.go.jp/nature/intro/1law/regulation.html)(2026年9月10日確認)
  • 環境省「防除に関するQ&A」(env.go.jp/nature/intro/3control/qa.html)(2026年9月10日確認)
  • 大阪市「有害鳥獣の捕獲許可の手続き」(更新日 2026年2月13日/2026年9月25日確認)
  • 中野区「ハクビシン・アライグマによる被害が続いたら」(更新日 2025年5月22日/2026年9月25日確認)
  • 台東区「アライグマ・ハクビシンについて」(更新日 2026年7月2日/2026年9月25日確認)
  • 港区「ハクビシン・アライグマ対策」(更新日 2026年5月22日/2026年9月25日確認)
  • 福岡市「特定外来生物「アライグマ」について」(更新日 2026年7月24日/2026年9月25日確認)
  • 当サイト「自治体の害獣制度データベース」131自治体(2026年9月10日調査/2026年9月25日に全件を再検証)

この記事の訂正について(2026年9月25日)

この記事は、公開時のタイトルが間違っていました。

もとのタイトルは「アライグマは生きたまま運べません|捕まえて山に放すのは二重に違法。市も捕獲してくれません」で、本文にも「市は許可を出すだけで、捕まえません」という見出しがありました。

根拠にしていたのは大阪市の1件だけです。 本文には「ただし、自治体によって違います」「確認したのは大阪市の1件だけです」とも書いていましたが、タイトルと見出しでは、その1件から全国を断定していました。

当サイト自身が131自治体を調べていて、そのデータと食い違っていました。 実際には106自治体がアライグマを制度の対象にしていて、39自治体では市や区の委託業者が捕獲します。

タイトル・見出し・本文を、データに合わせて書き直しました。

なお、その131自治体のデータベース自体も2026年9月25日に全件を再検証し、48件を訂正しています。 経緯はデータベースの記事に書きました。この記事の106・39・41・20という数字は、訂正後のものです。

この記事に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ、記事内に訂正を追記します。

制度は変わります。 この記事の内容は確認日時点のものです。

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