最初にお断りします。この記事は相場表ではありません。
当サイトはコウモリの駆除を依頼していないので、「いくらが妥当か」は書けません。 書けるのは、自治体の入札結果や交付金の資料、国民生活センターなど公的機関が公表している数字だけです。すべて出典を付けるので、同じ手順で確かめられます。
この記事の末尾には広告リンクがあります。 公的な「相場」は見つからなかったので、最後は見積もりを取って比べることになります(本文)。業者に頼む人のために、当サイトが公表情報だけで調べた4社の記事を末尾に並べました。そのうち提携している3社(駆除ザウルス・ハウスプロテクト・害獣BUZZ)の「公式サイトを見る」ボタンが広告リンクです。 順位はつけていません。提携の有無で、調べた内容は変えていません。
確認日:2026年10月11日
確認できたこと
- 検索上位の記事が書く「相場」は、揃っていません。 2026年10月11日の検索結果には「1万円」「平均約13万円」「1箇所あたり2〜3万円」「平均費用は65,800円」が並んでいました
- 一方で、自治体がコウモリ対策をいくらで発注したかは公表されています。 当サイトは4つの自治体の公表資料で、5件の金額を確認しました
- 中学校の対策業務は12万6,500円(静岡県長泉町)、こども園の侵入防止業務は17万4,900円(税抜)(滋賀県米原市)、区役所の対策・防除業務は43万9,450円(熊本市)でした
- 小学校の校舎の隙間をふさぐ工事は、事業費646万8,000円でした(茨城県茨城町)。別に実施設計の委託が68万円(税抜)です
- ただし、施設の発注と住まいの駆除は中身が違います。 金額をそのまま住まいの見積もりと比べることはできません
- 国民生活センターは、ホームページに「約8,000円から」とあった業者と約130万円の契約をした相談事例を公表しています。 コウモリの相談は「年々増加する傾向」で、「夏(8~9月)に相談がピーク」とも書いています
- コウモリ駆除の補助金は、当サイトが調べた範囲では見つかりませんでした。 代わりに、岐阜県各務原市が追い払う装置を無料で貸し出しています
検索上位の「相場」は、記事ごとに違います
2026年10月11日に「コウモリ 駆除 費用」で検索して、上位29件のタイトルと説明文を見ました。 業者や比較サイトの記事が書いている「相場」は、こうでした。
| 検索結果に表示された文 | 示している金額 |
|---|---|
| 「コウモリ駆除の費用相場は1万円」 | 1万円 |
| 「コウモリ駆除は、1箇所あたり2〜3万円が相場です。」 | 1箇所2〜3万円 |
| 「害獣駆除業者を利用した方への調査では、平均費用は65,800円」 | 平均6万5,800円 |
| 「コウモリの駆除相場は平均約13万円です。」 | 平均約13万円 |
| 「1万円〜50万円超まで大きく変動します。」 | 1万〜50万円超 |
表は横にスクロールできます。
同じ「相場」という言葉で、1万円から13万円まで開いています。 幅で書いている記事は、50倍の差です。
どれが正しいのかは、当サイトには検証できません。 調べ方も、何を1件と数えたかも、記事ごとに違うからです。
そして、上位には別の種類の結果も入っていました。 2位と10位は、Yahoo!知恵袋の相談です。どちらも「70万円」と言われたという内容でした。
室外機にコウモリの糞がいっぱいあるので業者を呼んでコウモリ駆除の見積もりを取ったら2社とも70万円かかると言われました。
「相場は1万円」と「見積もりは70万円」が、同じ検索結果に並んでいます。 検索する人が困るのは、この差です。
代わりに、自治体がいくらで発注したかは公表されています
業者の数字が揃わないので、別の一次資料を探しました。自治体が学校や庁舎のコウモリ対策を業者に発注したときの金額です。入札結果や随意契約の公表、交付金の報告書に載っています。
契約や落札の金額をページ上で確認できたのは、4つの自治体の5件でした。
| 自治体 | 件名 | 金額 | 時期 |
|---|---|---|---|
| 静岡県長泉町 | 令和3年度 町立長泉中学校コウモリ対策業務委託 | 126,500円(うち消費税等11,500円) | 令和3年10月21日 入札(見積合せ) |
| 滋賀県米原市 | かなん認定こども園コウモリ侵入防止業務 | 174,900円(消費税抜き) | 令和5年6月29日 入札 |
| 熊本市 | 北区役所コウモリ対策、防除業務委託 | 439,450円 | 令和元年12月20日 随意契約 |
| 茨城県茨城町 | R4茨城町立青葉小学校コウモリ被害対策工事実施設計業務委託 | 680,000円(税抜) | 令和4年9・10月の入札 |
| 茨城県茨城町 | 青葉小学校校舎換気対策事業 | 事業費(実績)6,468,000円 | 令和4年9月27日~令和5年3月30日 |
表は横にスクロールできます。
熊本市の表は「契約金額(円)」とだけ書かれていて、税込か税抜かの記載がありません。
もう1件、金額の決まらなかった工事があります。 宮崎県串間市の「中央公民館コウモリ対策工事」は、予定価格が1,628,000円(税込)でした。2024年7月17日の入札は「不調」で、請負決定額の欄は空欄でした。
茨城町の工事は、何をしたのか
金額の大きい茨城町は、何をした工事なのかが書かれていました。
小学校の校舎の中庭にある吹抜け部の、「屋根の水切り金物」や「窓の水切り金物」などの隙間にコウモリが住みついていたため、中庭に面した教室で換気ができなかった、という事業です。
実績には「青葉小学校コウモリ被害対策工事(吹抜部床面消毒、シーリング改修等)を実施」とあります。床の消毒と、隙間をふさぐシーリングの改修です。
費用には、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が充てられていました(うち交付金6,400,000円)。事業費6,468,000円には、税込か税抜かの記載がありません。
ただし、これを住まいの見積もりと比べないでください
この5件は、住まいのコウモリ駆除の「相場」ではありません。 串間市の予定価格も同じです。 理由は4つあります。
- 建物が違います。 中学校・こども園・区役所・小学校です。一戸建てより大きく、作業する場所も多いはずです
- 作業の中身が、ほとんど書かれていません。 何か所を、何日かけて、追い出し・清掃・封鎖のどこまでやったのか。茨城町以外は、件名しか分かりません
- 税込と税抜が混ざっています。 長泉町は税込、米原市と茨城町の設計は税抜、熊本市は表記がありません
- 1件ずつの金額です。 平均を出せるほどの件数はありません
それでも、言えることが1つあります。 公的な発注でも、対策業務は1件で十数万〜40万円台、建物ぐるみで隙間をふさぐ工事になると数百万円になっている、ということです。
「相場は1万円」という数字だけを頭に入れて見積もりを受け取ると、ほとんどの金額が「高すぎる」ように見えます。 逆に、70万円と言われたときに「工事の規模によってはありうる」のか「明らかにおかしい」のかは、内訳を見ないと判断できません。
国民生活センターに「約8,000円から」が「約130万円」になった記録があります
国民生活センターは2024年4月24日、害虫・害獣駆除のトラブルについて報道発表をしています。 そこに、コウモリの事例が1件載っています。
【事例5】ネットで探したコウモリ駆除業者と契約したがうそをつかれたので解約したい(2023年9月受付 30歳代 男性)
庭にコウモリの糞らしいものがあり、ネットで探した見積もり無料の業者に見積もりを依頼した。
ホームページにはコウモリの駆除が約 8,000 円からと記載があった。
そして「近所の足場を撤去しこちらに回すから安くなる」と、強引に勧められ約 130 万円の契約をしてしまった。
相談者は、相見積もりを取るつもりで連絡していました。ところが来訪した業者に「今やらなければひどいことになる」と言われ、近所の家の足場を見せられて信用してしまいます。あとで近所に聞きに行くと、その業者のことは知らないと言われました。契約して5日目にクーリング・オフの通知を出しています。
「約8,000円から」と「約130万円」です。 ホームページの金額は、最低価格だった、という形です。
同じ報道発表には、コウモリについてこう書かれています。
相談が年々増加する傾向が見られます(図7)。相談受付年月別の相談件数の推移からは、例年6月ごろより相談が増え始め、夏(8~9月)に相談がピークになる傾向が見られます(図8)。
相談が増える6月から夏は、浜松市が侵入口の封鎖を避けるよう書いている時期と重なります。 浜松市の原文は「まだ飛べない幼獣のいる時期(6~8月)」です。詳しくはコウモリの追い出しの時期の記事に書きました。急いで契約を迫られやすい時期は、急いで作業してはいけない時期でもあります。(これは当サイトが2つの資料を並べて読んだもので、どちらの資料にもそう書かれているわけではありません。)
兵庫県の消費者センターにも、30万円の事例があります
兵庫県の東播磨消費者センターが出している「東・北はりま消費者注意報」第113号「害虫駆除で高額な請求!」にも、コウモリの事例があります(原文は「こうもり」とひらがな表記です)。
ベランダに「こうもり」の糞があったので、駆除をしてもらおうと電話で見積りだけを依頼した。
現場を見ないとわからないと言うので自宅に来てもらったところ30万円だったが、依頼していないのにすぐ駆除をして料金を請求された。
見積もりだけを頼んだのに、その場で作業されています。 この注意報には発行日の記載がありませんでした。
「補助金」は見つかりませんでした。装置を無料で貸す市はあります
「コウモリ駆除 補助金」は、月に590回ほど検索されています。 ところが当サイトがコウモリの記事で東京23区と政令指定都市20市の43自治体を調べたとき、補助金や助成があったのはゼロでした。
その43自治体の外で、別の形の支援を見つけました。 岐阜県各務原市は、コウモリを追い払う装置を貸し出しています。
各務原市民で、居住敷地内にコウモリの糞尿などの被害を受けてお困りの方
原則として1台を14日間貸し出します。1世帯1回限りです。
(注)貸し出しは無料ですが、使用の際の装置の充電を必要に応じてご自身で行っていただく必要があります。
お金を出す制度ではなく、道具を貸す制度です。 自分の市区町村にも似たものがないか、業者に連絡する前に一度調べる価値はあります。
この記事が書けなかったこと
- 住まいのコウモリ駆除の相場。 当サイトは依頼していません。書けば推測になります
- 行政の発注の作業内容。 茨城町以外は、何か所・何日・どこまでの作業なのか、公表資料から分かりませんでした
- 国民生活センターの年度別の件数。 図の数字と年度の対応を、公表資料の本文から確定できなかったので書きません。本文の「年々増加する傾向」だけを引きました
- 熊本市のほかの少額の契約。 調査の過程で数万円台の契約があるという情報を得ましたが、公表資料のどの行かを当サイトで確認できなかったので載せていません
- 各社の料金。 コウモリの業者の比較記事に書いたとおり、料金を金額で公開していたのは1社(駆除ザウルスの「税込25,000円~」)だけで、これも下限の数字です
- 火災保険が使えるかどうか。 約款を確認できていないので書きません
