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動物別

追い出せる時期は、
2つの市が書いています。

43自治体を調べました。時期に触れていたのは、浜松市と北九州市だけです。

この記事でわかること

  1. 43自治体中4件だけ

    家屋のコウモリ対策を書いている自治体は4件。東京23区はゼロでした。

  2. 時期を書いたのは2件

    浜松市は「(6~8月)」と月を書き、北九州市は避ける理由を書いています。

  3. 閉じ込めると最悪です

    浜松市は、取り残すと中で死んで臭気と害虫の原因になると書いています。

目次

最初にお断りします。この記事は、行政と研究機関の公式資料に書いてあることだけを載せます。

当サイトはコウモリの駆除をしていません。商品も試していません。 ですから「このスプレーで出て行った」といった体験談は書けません。書けるのは、行政が公表している手順と、研究機関が確認している生態だけです。すべて出典を付けるので、同じ手順で確かめられます。

この記事に広告リンクはありません。 広告リンクを載せる場合は必ず明記します。

確認日:2026年9月13日

確認できたこと

  • 東京23区と政令指定都市20市、43自治体を1件ずつ確認しました。 家屋のコウモリ対策を書いていたのは4件(仙台市・浜松市・京都市・北九州市)
  • 東京23区は、23区すべてでゼロでした。ネズミやハクビシンには各区がページを持っているのに、コウモリだけありません
  • 追い出しの「時期」に触れていたのは2件。浜松市と北九州市です
  • 浜松市だけが月を書いています。「まだ飛べない幼獣のいる時期(6~8月)や、冬眠前後の時期を避けて」
  • 北九州市は理由が違います。「追い出しが難しいため」と、効果の問題として書いています
  • 隙間の寸法を書いたのは1件。浜松市の「1cm程」だけです
  • 冬眠が何月から何月かを書いた公的資料は、確認できませんでした
  • 閉じ込めると最悪です。 浜松市が結果まで書いています
  • 方法は自治体でバラバラです。煙、ナフタリン、光、CD、クレゾール、そして殺虫剤
  • 装置を貸してくれる市があります(各務原市。1台14日間、1世帯1回限り)
  • 日本のコウモリから狂犬病の仲間が見つかった報告は、ありません(国立健康危機管理研究機構)

そもそも、ほとんどの自治体が書いていません

東京23区と政令指定都市20市の公式サイトを、1件ずつ確認しました。

結果は次のとおりです。

確認したこと件数
家屋のコウモリ対策のページがある4件(仙台市・浜松市・京都市・北九州市)
追い出しの「時期」に触れている2件(浜松市・北九州市)
侵入口の隙間の寸法を書いている1件(浜松市)
追い出しの方法を書いている4件
封鎖の順序を書いている3件(浜松市・北九州市・仙台市)

表は横にスクロールできます。

東京23区は、23区すべてでコウモリの対策ページがありませんでした。 ネズミ・ハクビシン・アライグマ・カラス・トコジラミには各区が個別のページを持っています。コウモリだけ、一貫して扱いがありません。

墨田区には生きもの図鑑としてのアブラコウモリのページが、札幌市には円山動物園の調査記録が、相模原市には問い合わせ先一覧の1行がありますが、いずれも「どうすればよいか」は書かれていません。

ここが、この記事を書いた理由です。インターネットで「コウモリ 対策」を調べると「春と秋が適期」と書いたページがたくさん出てきます。しかし行政の資料でそれを確かめようとすると、書いている自治体が2つしかありません。

浜松市が、43のうち唯一のフルセットです

浜松市は、時期も、寸法も、手順も、失敗したときの結果も書いています。 43自治体で唯一です。

まず時期です。

侵入口の封鎖は、まだ飛べない幼獣のいる時期(6~8月)や、冬眠前後の時期を避けて行って下さい。

「(6~8月)」と月が書かれています。 そして理由は「まだ飛べない幼獣がいる」から。コウモリ側の事情です。

次に隙間の寸法です。手順の1番目に、カッコ書きで添えられています。

(糞が落ちている場所等が侵入口と考えられます。1cm程の隙間があればコウモリは出入り可能です。)

カッコの中の補足ですが、43自治体で寸法を書いていたのはここだけでした。

手順はこうです。

3.コウモリが家にいない時間帯にガムテープや網などで出入り口を塞ぐ。

追い払う方法も書かれています。

CDやアルミ箔をコウモリがいる周辺にぶら下げる。

出入り口周辺や、家の中でコウモリが定着する場所にクレゾールや木酢液など刺激臭のするものを塗布する。

CDとアルミ箔の理屈が、他所と逆向きです。 よく見かける「超音波発生器でコウモリを追い払う」ではありません。コウモリ自身が出す超音波を乱反射させて、嫌がらせるという考え方です。

閉じ込めると、いちばん悪い結果になります

浜松市は、失敗したときに何が起きるかまで書いています。

封鎖時、家の中にコウモリが取り残されないよう注意して下さい。コウモリが残っていると閉じ込めて殺してしまい、死体が臭気や害虫の発生源になってしまいます。

これはネズミと同じ構造です。 当サイトの天井裏でネズミの音がするでも書いたとおり、墨田区は「いきなり侵入口を全部ふさぐと、天井裏や床下などで死んでしまい」と書いています。動物が違っても、順番を間違えたときに起きることは同じです。

先に出す。出たことを確かめる。それから塞ぐ。 北九州市も同じ順序を書いています。

(2)棲み付かれる前または、(1)で追い出した後に侵入口をふさいでください。

軒下にいる場合は、コウモリがいない時に(または追い払ってから)、その場所にネット(網)などをして侵入を防いでください。

仙台市は、時間帯で解いています。

コウモリは夜行性のため、夜になると巣から外に出て行くことから、この間に出入口をふさいでしまうなどの対策が考えられます。

3つの市が、言い方を変えて同じことを書いています。「いない時に塞ぐ」です。

北九州市は、避ける理由が違います

同じく時期に触れているもう1件、北九州市です。

なお、冬眠時期及び夏の出産時期は追い出しが難しいため、それ以外の時期に対策を行う方が効果的です。

理由が浜松市と違います。 浜松市は「まだ飛べない幼獣がいる」から避けろと書いています。コウモリの側の事情です。北九州市は「追い出しが難しいため」。やっても効果が出にくいという、住む人の側の事情です。

どちらが正しいという話ではありません。2つの市が、違う理由で、同じ時期を避けろと書いている——ここが確認できたことです。

そして北九州市は、月を書いていません。「夏の出産時期」「冬眠時期」という表現です。月まで書いたのは、43自治体で浜松市だけでした。

「夏の出産時期」は、いつなのか

行政が「夏の出産時期」と書くとき、それは何月なのか。 生態の資料で確かめました。

福岡県の生きものデータベースは、月を書いています。

市街地周辺や里山などの身近な環境でもっともよく見られるコウモリ。6~7月が出産シーズンです。

国立環境研究所の侵入生物データベースは、1年の周期を書いています。

繁殖期:10月に交尾.交尾後,冬眠中は精子は卵管と子宮に貯精される.冬眠終了後,4月末に排卵されて受精.妊娠期間は70日程度.出産は普通昼間行われ,産仔数2~4(平均2.6~3).

(この資料の読点は「,」、句点は「.」です。原文のまま引用しています。)

4月末に受精して、妊娠70日なら、出産は7月上旬。 福岡県の「6~7月」と合います。そして生まれた子が飛べるようになるまでには、さらに時間がかかります。浜松市の「(6~8月)」は、この幅を見ているとみられます。

なお、農林水産省の資料は洞穴を使う種について「ほとんどの種が、6月~7月にかけて出産、哺育を行う」と書いています。こちらはアブラコウモリに限った記述ではありませんので、参考にとどめます。

冬眠の時期は、公的資料で確かめられませんでした

「冬眠中は追い出すな」と書かれても、冬眠がいつからいつまでなのかが分かりません。

調べましたが、アブラコウモリの冬眠が何月から何月までかを明記した公的資料は、確認できませんでした。

確認できたのは、周辺の記述だけです。国立環境研究所は「冬眠終了後,4月末に排卵されて受精.」と書いています。終わりの側は4月末より前だと分かります。国土技術政策総合研究所は、コウモリ類一般について「本州では5月~10月頃が比較的コウモリ類の活動が活発な時期」としています。

そして神奈川県は、冬でも動くことがあると書いています。

冬は冬眠しますが、暖かい日には起きて外に出ることがあります。

「冬だから中にいる」とも限らないわけです。当サイトは、ここで月を断定しません。行政が書いていないことを、書いていないと書きます。

方法は、自治体によってバラバラです

4件しかないのに、勧めている方法が揃っていません。

自治体勧めている方法
浜松市CD・アルミ箔で超音波を乱反射/クレゾール・木酢液の塗布/不在時にガムテープ・網で封鎖
北九州市火を使わない煙タイプの害虫駆除剤/ナフタリン等/ライトアップ/ネットで封鎖
仙台市夜、外に出ている間に出入口を塞ぐ
京都市忌避剤をまく、または紙や布に染み込ませて置く

表は横にスクロールできます。

北九州市の煙は、火を使うものではありません。

煙で追い出す方法があります。ホームセンターや薬局などで市販されている、(火を使わずに)煙の出るタイプの害虫駆除剤を屋根裏に置いてみてください。

ナフタリン等の忌避財を置いたり、ライトアップをする等棲み心地を悪くすることで追い出す方法もあります。

(「忌避財」は原文のままです。北九州市の表記をそのまま引用しています。)

京都市は、コウモリを単独で扱っていません。「イタチ・タヌキ・コウモリ」を1つの項目にまとめ、「天井裏、軒下などに住み着いているので、どうにかしてほしい。」という質問への答えとして、忌避剤を挙げています。

具体的には、動物が嫌がる薬(忌避剤:下記参照)をホームセンター等で購入していただき、動物のいる場所に撒くか、丸めた紙、布等に染み込ませて置いておけば、動物は寄り付きにくくなります。

同じ項目に「イタチは3~4cmの隙間でも侵入する場合があります」という記述がありますが、これはイタチについての数字です。 コウモリの数字ではありません。

大津市だけ、書いていることが違います

43自治体の外ですが、記述が明らかに違う市があったので併せて載せます。

大津市は、こう書いています。

壁に張り付いているコウモリについては、定期的に壁をチェックし、張り付いている場合は市販の殺虫剤をかけたりして追払う必要があります。

他の市が「忌避剤」と書くところを、大津市は「市販の殺虫剤をかけたりして」と書いています。

この一文は、「市では駆除や捕獲はしておりません。」「自己対応でお願いしています。」という文脈の中に置かれています。当サイトはどちらが正しいかを判定しません。 ただ、コウモリは鳥獣保護管理法で捕獲も殺傷も禁止されています(コウモリは市役所も駆除してくれませんに条文を載せています)。記述に幅があるという事実だけ、書いておきます。

装置を貸してくれる市があります

各務原市は、コウモリ忌避装置を無料で貸し出しています。

条件も公開されています。

  • 対象は「各務原市民で、居住敷地内にコウモリの糞尿などの被害を受けてお困りの方」
  • 「原則として1台を14日間貸し出します。」
  • 「1世帯1回限りです。」
  • 「貸し出しは無料ですが、使用の際の装置の充電を必要に応じてご自身で行っていただく必要があります。」

自治体が装置そのものを貸す例です。ネズミで殺そ剤を配る区があるのと同じ構図で、コウモリでも器具の貸出をしている市があります。お住まいの市に同じ制度があるかは、自治体の害獣制度データベースと、市の環境課への電話で確かめてください。

相手は、どういう動物なのか

追い出す相手の大きさと数を知っておくと、隙間の話が具体的になります。

国土交通省中部地方整備局・天竜川上流河川事務所の資料は、こう書いています。

前腕長30~37mm、頭胴長41~60mm、尾長29~45mm。体重5~10g。

昼間の隠れ家は家屋で、数頭から100頭の集団で利用。

体重5~10g、体長は5cm前後。 そして100頭単位になることがあります。浜松市の「1cm程の隙間」が現実味を持つ大きさです。

棲む場所については、京都市保健所が書いています。

巣は,壁の間や天井裏など家屋の透き間です。

食べる量も分かっています。国土技術政策総合研究所の資料です。

例えば小型の 5~6gのコウモリ(北海道を除く日本全国の都市や都市周辺部で、普通に見られるイエコウモリ-別名アブラコウモリがこのくらいの大きさである)1頭が、一晩に約 500 匹の蚊のような小さい昆虫類を捕食する。

京都市保健所は、別の言い方をしています。

1日に体重の30%にもなる重さの昆虫類を食べるといわれています。

仙台市が、この点を先に書いています。

コウモリは、蚊やハエなどの害虫をエサとしているため、益獣としても考えられていますが

追い出す相手が「益獣」だと書いた自治体は、4件のうち仙台市だけでした。

病気の話は、正確に

コウモリというと狂犬病を心配される方がいます。日本の公的機関がどう書いているかを確認しました。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)の「リッサウイルス感染症(詳細版)」に、はっきり書かれています。

日本ではこれまでにリッサウイルス感染症の発生や、コウモリからリッサウイルスが分離された報告はない。

日本のコウモリから見つかった報告は、ありません。 一方で海外では事例があり、同じページに2002年のイギリスの死亡例が記載されています。

ただし、素手で触ってよいという話ではありません。自治体は別の理由で止めています。

野生のコウモリには、たくさんの病原菌が付着してる可能性があります。素手で触ることは不衛生であり、感染症やアレルギーなどを引き起こすリスクがあります。(朝倉市。原文のまま)

野生のコウモリには、寄生虫や感染症の原因となる菌やウイルスが付着している恐れ(つくばみらい市)

糞の扱いについては、別の記事に分けています。 見分け方と、清掃手順を書いた自治体が1件も無いことはコウモリの糞の見分け方にまとめました。

業者に頼む場合

仙台市は、業者の選び方に踏み込んで書いています。

あらかじめ複数の業者へ相談し、費用や内容等をよく確認してから依頼するようにしてください

相見積もりを勧めているのは、4件のうち仙台市だけでした。大津市は、そもそも対応できる業者が少ないと書いています。

コウモリは追い払っても戻ってくることが多いため、対応する業者があまりありませんが

当サイトでは、コウモリに対応する業者4社の公表情報をコウモリの業者を、公表情報だけで4社くらべたで調べています。自治体が言う「時期」を書いていたのは2社でした。 この記事で見たとおり、時期について行政がどう書いているかを知っていれば、業者の説明が資料に沿っているかを自分で確かめられます。

この記事で使った資料

自治体

国・研究機関

調査の方法:東京23区(千代田・中央・港・新宿・文京・台東・墨田・江東・品川・目黒・大田・世田谷・渋谷・中野・杉並・豊島・北・荒川・板橋・練馬・足立・葛飾・江戸川)と政令指定都市20市(札幌・仙台・さいたま・千葉・横浜・川崎・相模原・新潟・静岡・浜松・名古屋・京都・大阪・堺・神戸・岡山・広島・北九州・福岡・熊本)の公式サイトを、2026年9月13日に1件ずつ確認しました。杉並区と北区については、カテゴリのインデックスページを特定できず、ドメイン内検索のみでの確認です。 検索に載らないページがある可能性は残ります。「記載なし」は「この手順では確認できなかった」という意味です。