最初にお断りします。この記事は、条文と行政の公式資料に書いてあることだけを載せます。
当サイトは駆除をしていません。商品を試してもいません。 ですから「この毒えさは効いた」といった体験談は書けません。書けるのは、法律に何と書いてあるか、行政が何を公表しているかだけです。すべて出典を付けるので、同じ手順で確かめられます。
この記事に広告リンクはありません。 広告リンクを載せる場合は必ず明記します。
この記事は、薬剤の使い方を指導するものではありません。 製品の説明書と、お住まいの自治体の案内に従ってください。
確認日:2026年9月11日
確認できたこと
- 殺鼠剤は、薬機法の「医薬部外品」または「医薬品」です。 条文に「ねずみ」が名指しで入っています
- 分かれ目は、人体に対する作用が緩和なものかどうかです
- 毒物及び劇物取締法は、毒物・劇物を「医薬品及び医薬部外品以外のもの」と定義しています
- だから、承認された殺鼠剤は毒物・劇物になりません。 譲受書も、18歳未満への交付禁止もかかりません
- 農業用の劇物には、黒く着色する義務があります。 方法まで省令で決まっています
- ビルには法律の決まりがあります。 特定建築物では、承認を受けた医薬品か医薬部外品しか使えません
- 家庭には、その決まりがありません
- 38の自治体を調べました。 殺そ剤を配っていたのは11、粘着シートは5でした
- 配布を冬に限定しているのは2つ(練馬区・荒川区)。やめたと明記している自治体もありました
- 荒川区が、冬に限る理由を書いています
- ジフェチアロールの分類が、練馬区と荒川区で食い違っています
- 市川市は、自分が配っている薬が効かないことがあると書いています
殺鼠剤は、法律上は何なのか
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の第2条第2項に、医薬部外品の定義があります。柱書きはこうです。
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
「人体に対する作用が緩和なもの」。 ここが最初の条件です。
そして第2号に、ねずみが出てきます。
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
「ねずみ」が条文に名指しで入っています。
同じ「ねずみの防除」が目的でも、人体への作用が緩和でなければ医薬品になります。 医薬品の定義(同条第1項第3号)にも「機械器具等でないもの」という同じ限定があります。
厚生労働省の資料に、承認される効能効果の範囲が載っています。殺鼠剤の行です。
| 種類 | 定義 | 効能効果 |
|---|---|---|
| 殺鼠剤 | 保健のためにするねずみの防除を目的とする製剤 | 殺鼠、ねずみの駆除、殺滅または防止 |
表は横にスクロールできます。
(厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」平成19年7月の別表です。この別表は、現行版の手引きには収載されていません。 当サイトは、これに相当する現行の表を見つけられませんでした。)
箱には「防除用医薬部外品」と書かれます
表示のルールは、薬機法第59条第3号と、施行規則第219条の2にあります。
当サイトは、この2つの条文の原文を取得できませんでした。 代わりに、東京都健康安全研究センターが解説資料の中で引用している文言を載せます。
人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される医薬部外品(医薬品医療機器等法第2条第2項第2号に規定する医薬部外品)には、「防除用医薬部外品」の文字を記載すること。
「医薬部外品」ではなく「防除用医薬部外品」です。 箱を見れば分かります。
消費者向けに、この見分け方を説明した公的な資料は見つけられませんでした。 見つかったのは、事業者向けの表示指導の資料だけでした。
なぜ、普通に買えるのか
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
殺鼠剤の成分には、名前を聞くと身構えるものがあります。硫酸タリウム、燐化亜鉛。それでも、ホームセンターで普通に買えます。
理由は、毒物及び劇物取締法の定義そのものにあります。
第二条 この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。 2 この法律で「劇物」とは、別表第二に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
「医薬品及び医薬部外品以外のもの」。
つまり、医薬部外品として承認されたものは、この法律の毒物・劇物になりません。 成分が同じでも、承認を受けていれば、毒劇法の外に出ます。
劇物として買う場合は、手続きがあります
比較のために、劇物を買う場合に何が必要かを条文で見ます。
まず、書面が要ります。
2 毒物劇物営業者は、譲受人から前項各号に掲げる事項を記載し、厚生労働省令で定めるところにより作成した書面の提出を受けなければ、毒物又は劇物を毒物劇物営業者以外の者に販売し、又は授与してはならない。
書面に何を書くかは、同じ条の第1項に挙がっています。品名と数量、年月日、譲受人の氏名・職業・住所です。
その書面の形式も決まっています。
第十二条の二 法第十四条第二項の規定により作成する書面は、譲受人が押印し、又は署名した書面とする。
そして、渡してはいけない相手が決まっています。
第十五条 毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を次に掲げる者に交付してはならない。 一 十八歳未満の者 二 心身の障害により毒物又は劇物による保健衛生上の危害の防止の措置を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの 三 麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
18歳未満には交付できません。
箱に「防除用医薬部外品」と書かれた家庭用の殺鼠剤には、これらの手続きがかかりません。 そこが違いです。
農業用の劇物は、黒く着色します
同じ法律に、色の話があります。
第十三条 毒物劇物営業者は、政令で定める毒物又は劇物については、厚生労働省令で定める方法により着色したものでなければ、これを農業用として販売し、又は授与してはならない。
その「政令で定める劇物」が、殺鼠剤の成分です。
(着色すべき農業用劇物) 第三十九条 法第十三条に規定する政令で定める劇物は、次のとおりとする。 一 硫酸タリウムを含有する製剤たる劇物 二 燐化亜鉛を含有する製剤たる劇物
硫酸タリウムと燐化亜鉛が、名指しで挙がっています。
着色の方法は、省令で決まっています。
(農業用劇物の着色方法) 第十二条 法第十三条に規定する厚生労働省令で定める方法は、あせにくい黒色で着色する方法とする。
「あせにくい黒色」。 色まで法律で決まっています。
ただし、これは「農業用として販売」する場合の劇物の話です。 家庭用の医薬部外品には、この条文は直接かかりません。当サイトは、家庭用の殺鼠剤の着色について定めた規定を見つけられませんでした。
成分は2系統です。そして、自治体で分類が食い違っています
「東京都ねずみ防除指針」に、成分の一覧があります。
① 抗凝血性殺そ剤:ワルファリン、クマテトラリル、フマリン ② 急性殺そ剤:シリロシド、ノルボルマイド、リン化亜鉛、硫酸タリウム
抗凝血性と急性。 大きく2つです。
自治体のページを調べたところ、38件のうち10件が成分名を書いていました。 ところが、書き方が一致しません。
ジフェチアロールの扱いが、区によって逆になっています
練馬区。
殺そ剤には、急性毒性(リン化亜鉛など)と抗凝血性(ワルファリン、ジフェチアロールなど)のものがあります。
荒川区。
薬剤(殺そ剤)には慢性毒性殺そ剤(クマリン系)と急性毒性殺そ剤(シリロシド、リン化亜鉛、ジフェチアロール等)があります。
| 練馬区 | 荒川区 | |
|---|---|---|
| ジフェチアロールの分類 | 抗凝血性 | 急性毒性 |
表は横にスクロールできます。
同じ成分が、逆の側に入っています。
当サイトは、どちらが正しいかを判定しません。 判定できる一次資料を持っていないからです。書けるのは、2つの区の公式ページで分類が食い違っている、という事実だけです。
実際に使うときは、自治体のページではなく、製品の説明書と表示を確認してください。 効き方が違えば、置き方も、効果が出るまでの日数も変わります。
種類によって効かない、と書く自治体があります
中野区は、ネズミの種類ごとに書き分けています。
毒餌では有効成分がジフェチアロールを含むものがお勧め。
ドブネズミには防水型のワルファリン(ブロック剤)が向いている。
クマネズミでは、ワルファリンは効かないことがある。
「クマネズミでは、ワルファリンは効かないことがある」。 はっきり書いています。
そして東京都の天井裏にいるのは、たいていクマネズミです。見分け方はネズミの種類の見分け方にまとめました。
市川市は、自分が配っている薬について書いています
これは、なかなか書けることではないと思います。
市川市は殺そ剤を無料配布しています。
市では、希望される方へ下記の場所にて殺そ剤(蓄積毒性)の無料配布を行っています。
そのすぐ次に、こう書いてあります。
天井裏などに住み着くクマネズミの場合は、市で配布する殺そ剤(ワルファリン)に耐性を持つ個体が多く、殺そ剤が効かないことがあります。
配っている薬が効かないことがある、と市が自分で書いています。
抵抗性がどこまで広がっているかについては、東京都の資料に範囲の記述があります。それは東京都の行政担当者向けQ&A集からに載せました。
船橋市は、選んだ理由を書いています
市で配付している殺そ剤は、安全性の確保のため「急性毒剤」ではなく「蓄積毒剤」を使用しています。 数日間連続して食べさせることで効果を発揮するものとなります。
「安全性の確保のため」。 配る側が、あえて効きの遅いほうを選んでいる、という説明です。
数日間連続して食べさせる必要があるとも書いてあります。1回置いて終わりではありません。
(「配付」は船橋市の表記のままです。)
ビルには、法律の決まりがあります
家庭の話ばかりしてきましたが、建物によっては法律で決まっています。
建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)の施行規則に、こうあります。
2 令第二条第三号ロに規定するねずみ等の発生及び侵入の防止並びに駆除は、次の各号の定めるところによる。 一 ねずみ等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ等による被害の状況について、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ等の発生を防止するため必要な措置を講ずること。 二 ねずみ等の防除のため殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条又は第十九条の二の規定による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いること。
6か月以内ごとに1回の調査。 そして承認を受けた医薬品か医薬部外品しか使えません。
これが適用されるのは「特定建築物」です。延べ面積が3,000平方メートル以上の興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場・店舗・事務所・学校・旅館などが対象です(学校教育法第1条の学校などは8,000平方メートル以上)。
個人の住宅には、この決まりがありません。 調査の義務も、薬剤の限定もありません。
逆に言えば、法律がビルに求めている水準がここにある、ということです。 6か月ごとに調べる。承認されたものを使う。家でも、同じ考え方は使えます。
38の自治体を調べました
殺そ剤を配っている自治体がどれくらいあるのかを数えました。
| 調べたこと | 件数 |
|---|---|
| 調べた総数 | 38自治体(41ページ) |
| 殺そ剤を配布している | 11 |
| 粘着シートを配布している | 5 |
| 有効成分名を書いている | 10 |
| 配布時期を限定している | 2 |
| 子ども・ペットへの注意を書いている | 14 |
表は横にスクロールできます。
配布していた11の自治体です。
| 自治体 | 配布の条件(原文) |
|---|---|
| 中野区 | 「ネズミでお困りの方に粘着シートと毒餌を無料で配布しています。(1家庭1回のみ)」 |
| 新宿区 | 「保健所では1人1袋まで、殺そ剤のサンプルをお渡ししています。」 |
| 練馬区 | 「冬季に町会を通じて殺そ剤を配布するとともに相談窓口にいらした方に殺そ剤(11月から4月)と粘着板のサンプルを差し上げております。」 |
| 荒川区 | 「毎年12月を一斉ネズミ駆除月間とし、町会を通じてネズミのいる希望世帯に殺そ剤を配布しています。」 |
| 千代田区 | 「保健所では、ねずみにお困りの方に殺鼠剤や粘着シートを配布しています。」 |
| 墨田区 | 「生活衛生課で殺そ剤をおわけするとともに、殺そ剤の使い方のチラシを配布しています」 |
| 江東区 | 「江東区では、ご相談のあった方に必要に応じて殺そ剤を窓口で配付しています。」 |
| 市川市 | 「市では、希望される方へ下記の場所にて殺そ剤(蓄積毒性)の無料配布を行っています。」 |
| 船橋市 | 「市では、ねずみ対策として、殺そ剤の配布を行っております。」 |
| 草加市 | 「くらし安全課では、伝染病の発生や媒介を未然に防止し、衛生的で快適な生活環境の確保を図るため、殺そ剤の配布を行っています。」 |
| 門真市 | 「駆除剤を配布しています。必要な人は、住所が確認できるものをご持参の上、環境政策課指導グループ窓口で申請してください。」 |
表は横にスクロールできます。
申請に本人確認を求める自治体があります。 市川市は「本人確認のできるもの(免許証など)」、草加市は窓口で受領書に住所・氏名・電話番号等を記入、門真市は「住所が確認できるもの」と書いています。
やめた、と書いている自治体があります
これも公表されていました。
| 自治体 | 記載 |
|---|---|
| 川崎市 | 「ねずみの殺そ剤については、平成24年度から配布していません。」 |
| 大阪市中央区 | 「ねずみ駆除用の殺鼠剤について、以前は市民の方にサンプル薬剤を配布しておりましたが、平成20年度から薬剤の配布を廃止することとなりました。」 |
| 大阪市城東区 | 「大阪市では、殺そ剤の配布は行っていませんので、薬店などでご自身で購入してください。」 |
表は横にスクロールできます。
やめた理由は、いずれのページにも書かれていませんでした。
町田市は「(駆除や駆除用具の貸出しは行っていません。)」、江戸川区は「衛生害虫等の駆除は行っていません。」と書いています。
同じ日本で、隣の自治体でも扱いが違います。 買う前に、お住まいの自治体のページを見る価値があります。自治体ごとの対応は自治体のネズミ対応データベースにもまとめました。
なぜ冬なのか。荒川区が理由を書いています
配布を冬に限定している自治体が2つありました。
練馬区は「冬季に町会を通じて」「(11月から4月)」。荒川区は「毎年12月を一斉ネズミ駆除月間」で、窓口は「冬季に限り」。
理由を書いていたのは荒川区です。
暑い時期に薬剤を使用すると、隠れたところで死んだネズミが腐敗して、悪臭やウジ発生の原因となりますので、冬季以外の使用は避けてください。
死骸の問題です。 毒えさは、見えない場所で効きます。どこで死ぬかを選べません。
同じ趣旨を、ほかの自治体も書いています。
| 自治体 | 記載 |
|---|---|
| 目黒区 | 「屋根裏などで死に、腐る・ウジがわくなどの心配があるため、冬期以外の使用は、おすすめできません」 |
| 横浜市 | 「冬季以外の使用は避けたほうが良いでしょう。」 |
| 江東区 | 「気温が高い時期の使用は推奨しません。」 |
| 名古屋市 | 「駆除した後は、死体の発見に努めましょう。夏期は死んだネズミが腐りやすいので、避けた方が良いでしょう。」 |
| 大阪市 | 「腐敗したネズミの死骸からウジやハエなどが発生しにくいよう、駆除薬は冬期に使用しましょう。」 |
表は横にスクロールできます。
5つの自治体が、同じ方向を書いています。
つまり、毒えさを使うなら冬です。 大阪市は12月から2月を「ネズミ防除強調期間」としています。
死骸の扱いについては、練馬区が具体的に書いています。
捕獲したねずみは処理したうえで、新聞紙などに包んでからビニール袋に入れ、可燃ごみとして廃棄してください。
市川市は、ダニについても書いています。
ネズミの死骸は、寄生していたダニやノミが出ていくため、周囲に殺虫剤を吹きかけてから素手で直接触れないようにして袋に入れ
死んだあとに、寄生していたものが出ていきます。 新宿区も同じ趣旨を書いています。
誤食について、公的資料はどこまで書いているか
調べた38自治体のうち、14が子どもやペットへの注意を書いていました。
新宿区です。
食品と区別して、子供の手が届かないところに保管してください。
ペットや他の動物にも有害ですので、誤食しないように配置してください。
草加市は、回収についても書いています。
小児の目の届く場所に置く場合は、就寝前に配置し、翌朝残った分は必ず回収するなど、絶対に誤食しないよう注意してください。
「翌朝残った分は必ず回収する」。 置きっぱなしにしない、ということです。
件数は、公開されていませんでした
当サイトは、殺鼠剤による中毒が日本で年間何件あるのかを探しました。見つけられませんでした。
公益財団法人日本中毒情報センターは毎年「受信報告」を公表しています。2024年の総受信件数は30,500件、急性中毒のデータは22,475件でした。ただし品目別の内訳は画像で掲載されていて、本文に数字がありません。 詳細なデータは会員向けです。
本文の中で殺鼠剤に触れている箇所は、1つだけ見つかりました。動物(ペット)の中毒についての節です。
動物の急性中毒に関する相談は298件であった。
品目別では、植物、殺鼠剤、殺虫剤などの相談が多かった。
2024年の報告です。 2022年と2020年の同じ節には、殺鼠剤は挙がっていません(植物・殺虫剤・食品)。ただしこれは記述の違いであって、件数を比較したものではありません。 当サイトは「増えた」とは書きません。
厚生労働省の「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」も見ました。小児の誤飲事故の上位10品目に、殺鼠剤は入っていません。(最新の掲載は平成30年度分です。)
応急処置について書かれていること
日本中毒情報センターの一般向けページに、こうあります。
口の中に残っているものがあれば取り除き、口をすすいで、うがいをします
家庭で吐かせることは勧められていません。吐物が気管に入ってしまうことがあり危険です
吐かせない。 これは覚えておく価値があります。
成分別の症状と処置は、日本中毒情報センターが監修した医療従事者向けの資料に載っています。抗凝血性の殺そ剤についてはこうです。
症状:出血傾向(プロトロンビン欠乏症状)、点状出血、結膜下出血、鼻出血、歯肉出血
出血です。 そして処置には、ビタミンK₂の経口投与が挙げられています。
当サイトは医療機関ではありません。 誤食が起きたときは、すぐに医療機関か中毒110番に連絡してください。
二次中毒は、猫ではなく鳥の話でした
「毒を食べたネズミを猫が食べると危ない」という話を、よく見かけます。
当サイトは、これを裏づける日本の公的資料を探しました。猫について書いたものは見つけられませんでした。
見つかったのは、鳥の話です。
環境省の小笠原のネズミ対策の資料に、こうあります。
クマネズミへのダイファシノン体内蓄積状況から、オガサワラノスリへの二次毒性の懸念が示された。
オガサワラノスリは猛禽類です。 毒えさを食べたネズミを食べる側にいます。
一方で、同じ事業の別の資料には、こういう実験も載っています。
2006年度、カラス3個体に、殺鼠剤(ダイファシノン製剤)により死んだラットを3週間毎日食餌に与えたところ全てのカラスは実験期間中に死亡せず
3週間毎日食べさせても、カラスは死ななかった。 種によって違う、ということです。
実際の被害の記録もあります。日本獣医師会雑誌に載った報告です。
2006年3月, 89羽の死亡した野鳥が大潟村で発見された。地域の農地において硫酸タリウムあるいはリン化亜鉛を成分とする殺鼠剤の使用が確認され
89羽です。 タリウムが高濃度で検出されたとされています。
これは農地での話で、家庭用の殺鼠剤の話ではありません。 ただ、屋外に毒えさを置くとどうなるかを示す、実際の記録ではあります。
葛飾区は、屋外について書いています。
他の生物に危害を与える危険があるので屋外にはおかないでください
屋外に置かない。 これは守る価値があります。
この記事が書けなかったこと
- 日本国内の、殺鼠剤による中毒の年間件数。 品目別の内訳が公開されていませんでした
- ジフェチアロールが抗凝血性か急性毒性か。 練馬区と荒川区で食い違っており、判定できる一次資料を見つけられませんでした
- 家庭用の殺鼠剤の着色についての規定。 「あせにくい黒色」は農業用の劇物についての省令です
- 医薬品と医薬部外品を分ける「作用が緩和」の具体的な線引き。 それを示した通知を見つけられませんでした
- 薬機法第59条第3号と施行規則第219条の2の条文の原文。 取得できず、東京都の資料が引用している文言を載せました
- 硫酸タリウム・ノルボルマイド・シリロシドが、現在も医薬部外品として承認されているか。 承認品目の一覧が公開されていませんでした
- 自治体が殺そ剤の配布をやめた理由。 どのページにも書かれていませんでした
- 「毒を食べたネズミを猫が食べる」ことについての、日本の公的な記述。 見つけられませんでした
- 消費者向けの、医薬品と医薬部外品の見分け方の公的な説明。 事業者向けの資料しか見つかりませんでした
今日からできること
- 箱の表示を見る。 承認されたものには「防除用医薬部外品」と書かれます
- 成分名を見る。 抗凝血性か急性かで、効き方も日数も変わります
- クマネズミなら、ワルファリンは効かないことがある。 中野区がそう書いています
- 蓄積毒なら、数日続けて食べさせる必要があります。 1回置いて終わりではありません(船橋市)
- 使うなら冬。 5つの自治体が、夏の使用を避けるよう書いています
- 屋外に置かない。 葛飾区が明記しています
- 就寝前に置いて、翌朝回収する。 子どもがいる場合の草加市の書き方です
- 買う前に、自治体を見る。 38件中11件が配っていました。無料のところもあります
- 死骸の処理を先に決めておく。 どこで死ぬかは選べません
- 誤食したら、吐かせずに連絡する。 日本中毒情報センターは、家庭で吐かせることを勧めていません
- そして、毒えさは根本の解決ではありません。 練馬区は「殺そ剤や粘着板に、忌避効果や侵入予防効果はありません」と書いています。塞ぐ話は天井裏でネズミの音がするに書きました
