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自治体を調べる

害獣駆除は市役所に
頼めるのか。

答えは動物で決まります。131自治体で調べました。

この記事でわかること

  1. 答えは動物で決まる

    アライグマは131中106、ハクビシンは71、タヌキは9、コウモリは43中ゼロでした。

  2. 中身も4つに割れる

    業者派遣39・わな貸出46・相談のみ22・補助金4。同じ「対応あり」でも意味が違います。

  3. 市役所がやらないこと

    侵入口の封鎖と清掃は、市が自分でやらないのが基本です。費用の半額を補助する熊谷市のような例外もあります。

目次

先に結論を書きます。市役所は「無料で駆除してくれる窓口」ではありません。

ただし、何もしてくれないわけでもありません。 そして自治体によって、やってくれることが正反対です。

当サイトは4つの自治体の公式ページを実際に確認しました。同じ「捕獲器を貸してくれる」制度なのに、片方は市の業者が全部やってくれて、もう片方は捕獲した動物を自分で殺処分することになります。

この記事はすべて自治体の公式ページを出典にしています。 ただし制度は変わります。 必ずご自身の自治体の公式ページと窓口で確認してください。

この記事の末尾には広告リンクがあります(2026年10月11日から)。 本文の「市役所がやらないこと」に書いたとおり、侵入口の封鎖と清掃は、捕獲の制度とは別に自分で手配することになります。業者に頼む人のために、当サイトが公表情報だけで調べた4社の記事を末尾に並べました。そのうち提携している3社(駆除ザウルス・ハウスプロテクト・害獣BUZZ)の「公式サイトを見る」ボタンが広告リンクです。 順位はつけていません。提携の有無で、調べた内容は変えていません。 自治体の記述はすべて公式ページから確認したもので、広告とは無関係です。

確認日:2026年10月11日(「市役所がやらないこと」の節で世田谷区・港区・熊谷市を再確認。4自治体の詳細は2026年9月10日確認)

そもそも、なぜ市役所なのか

環境省のページに、こう書かれています。

狩猟により捕獲する場合を除いて、原則としてその捕獲、殺傷又は採取が禁止されています

野生の鳥獣は、勝手に捕まえてはいけません。 家に住み着いていても同じです。

捕獲するには許可が要ります。

環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて

そして、ここが大事なところです。

多くの都道府県では、(中略)捕獲許可権限の一部を市町村長に移譲しています

だから窓口が市役所になります。 「市役所が駆除サービスをやっている」のではなく、捕獲を許可する権限が市町村に降りていることが多い、というのが実際の構造です。

この記事は法的な助言ではありません。 何が許可されるかは動物の種類・状況・自治体によって変わります。判断はお住まいの自治体の窓口でしてください。

先に、いちばん大事なことを書きます。答えは動物で決まります

「害獣駆除は市役所に頼めますか」に、全国共通の答えはありません。 そして自治体ごとに違う以上に、動物ごとに違います。

当サイトは131自治体の公式ページを1件ずつ確認したデータベースを持っています(2026年9月10日調査/2026年9月25日に全件を再検証し、48件を訂正しました)。そこから、動物別に数えました。

動物131自治体のうち、制度の対象にしていた数
アライグマ106
ハクビシン71
ヌートリア11
タヌキ9
アナグマ5
イタチ2
キツネ2

表は横にスクロールできます。

別に調べた動物もあります。

動物結果
コウモリ43自治体を調べてゼロ。駆除する自治体はひとつもありませんでした(記事)
スズメバチ43自治体のうち東京23区は16区、政令市20市は2市(記事)
ネズミ鳥獣保護管理法の適用除外。そもそも許可が要りません(記事)

表は横にスクロールできます。

同じ「◯◯駆除 市役所」でも、答えがここまで変わります。

理由は法律です。アライグマは特定外来生物なので、都道府県が防除実施計画を作り、市区町村がそれに参加する枠組みがあります。ハクビシンにはそれがありません。 タヌキ・アナグマ・イタチ・キツネは在来種なので、さらに扱いが薄くなります。コウモリは鳥獣保護管理法で捕獲そのものが禁止されているので、行政の制度が存在しません。

だから最初にやるべきことは、市役所に電話することではなく、屋根裏にいるのが何なのかを確かめることです。 当サイトの屋根裏で音がする。何の動物かに、音と糞と時間帯からの見分け方をまとめました。

制度がある場合も、中身が4つに割れます

131自治体の制度を型で分けると、こうなりました。

制度の型件数実際に起きること
わな貸出46窓口で捕獲器を借りる。設置・毎日の見回り・餌の用意・捕獲後の処分は自分
業者派遣39市や区の委託業者が来て、箱わなを設置し、捕獲・引取りまで行う
相談のみ22捕獲も貸出もしない。許可の出し方や業者の紹介先を案内する
補助金4市は駆除しない。業者に払った費用の一部を補助する
対応しないと明記2私有地の駆除と費用は所有者の責任、と書いている
確認できず18当サイトが制度のページを見つけられませんでした

表は横にスクロールできます。

いちばん多いのは「わな貸出」です。 「市が対応しています」と書いてあっても、作業するのは住民という形がいちばん多い、ということです。

そして業者派遣型は東京に極端に偏っています。 ハクビシンの業者派遣28件のうち21件が東京都で、東京23区は23区のうち19区がこの型でした。詳しくはハクビシンの駆除を市役所に頼めるのかに書きました。

4つの自治体を、中身まで見ます

上の表は数えただけです。 実際に何が起きるのかは、1件ずつ読まないと分かりません。4つ並べます。

4つの自治体の比較

自治体制度の形誰が捕獲器を扱うか捕獲した動物は
世田谷区区が業者を派遣区の委託業者が設置・回収区に連絡
船橋市無料貸し出し市の委託業者が設置・回収市の委託業者が回収
岡崎市檻の無料貸出自分で管理(1日1回以上確認)3日以内に自ら殺処分
山形市費用の補助(業者に依頼する前提)業者が対応

表は横にスクロールできます。

同じ「市役所に相談する」でも、着地点がここまで違います。 世田谷区は区の業者が全部やり、岡崎市は捕獲した動物を3日以内に自分で殺処分します。

世田谷区:区の委託業者が捕獲器を設置する

「世田谷区有害鳥獣対策緊急事業」として、こう書かれています。

被害にあった敷地及び建物に委託した専門業者を派遣し、棲みつかれたところや侵入経路に捕獲器を設置して、捕獲事業を行っています

捕獲器の設置と回収は、区の委託業者がやります。 ただし利用者側にも条件があります。

  • 所有者・管理者の依頼と同意が必要
  • 毎日の見回り
  • 週1回のえさの取り替え(自己負担)
  • 捕獲したときの連絡
  • 設置期間は原則1週間、延長して最長4週間

「申し込めば終わり」ではありません。 毎日見回って、えさを自分で買って替える必要があります。

(世田谷区 ハクビシン・アライグマ対策/最終更新 2026年8月4日)

船橋市:設置も回収も市の委託業者

船橋市は、対象をアライグマとハクビシンに絞って、こう書いています。

無料でのワナの貸し出しを行っています

ワナの設置及び回収(捕獲の有無によらない)は、市が委託する専門業者が行

捕獲された個体の回収も、市の委託業者がやります。 利用者が動物に直接触れる場面がありません。

条件はこうです。

  • アライグマ等の個体本体、または糞・足跡・被害状況などの写真の添付が必須
  • ワナの設置は庭(敷地内)のみ
  • 設置期間は最大8週間
  • 土日祝日と年末年始は委託業者が休みのため、その間は回収できない

写真が要るという条件は見落とされがちです。 「音がするから」だけでは申請できません。先に証拠を残しておく必要があります。

(船橋市 アライグマ・ハクビシンの捕獲用ワナの貸し出し/最終更新 2026年8月19日)

岡崎市:捕獲したら3日以内に自分で殺処分

ここが、この記事でいちばん知ってほしいところです。

岡崎市はアライグマ・ハクビシン・ヌートリア用の捕獲檻を無料で貸し出しています。 ただし貸出条件に、こう書かれています。

1日1回以上檻を確認すること。

捕獲した場合は、3日以内に自ら殺処分すること。(困難な場合は岡崎猟友会に代行を依頼できます。[有料]ただし、3月中は依頼できません。)

檻の貸出は無料ですが、殺処分の代行は有料です。 そして3月中は代行を頼めません。

「市役所が無料で駆除してくれる」と思って申し込むと、ここで想定と大きくずれます。

檻の中で生きている動物を、3日以内に自分で処分する。それができるかどうかを、申し込む前に考える必要があります。 できないなら、代行費用がかかります。

(岡崎市 アライグマ、ハクビシン、ヌートリア用の捕獲檻の貸出/最終更新 2026年8月28日)

なお、これは岡崎市が不親切なのではありません。 捕獲した特定外来生物などを野に放つことは認められておらず、誰かが処分しなければなりません。その役割を誰が担うかを、自治体が明示しているだけです。 明示していない自治体より、むしろ親切だとも言えます。

山形市:業者に払った費用の半額を補助

山形市には、駆除業者に依頼した費用を補助する制度があります。

山形市内に住所を有し、山形市内に所有する建物や土地にタヌキ・ハクビシンが侵入する被害を受けており、駆除業者に捕獲を依頼する個人の方

経費の2分の1、上限は1万5千円

そして、ここに落とし穴があります。

交付決定通知の交付前に実施したものは補助対象外

先に業者を呼んで作業してもらうと、補助金は出ません。 順序が決まっています。

  1. 市に捕獲等の許可を申請する
  2. 補助金の交付申請書を出す
  3. 市から交付決定通知をもらう
  4. そこから業者の作業を開始する

「とりあえず業者に来てもらってから、あとで補助金を申請しよう」は通りません。 急いでいるときほど、ここを飛ばしがちです。

(山形市 タヌキ・ハクビシン捕獲等費補助事業/最終更新 令和8年7月31日)

市役所がやらないこと

ハクビシンやアライグマについて当サイトが公式ページを開いた自治体では、追い出し・侵入口の封鎖・糞の清掃を、市や区が自分でやるところは見つかりませんでした。

世田谷区の公式ページは、まず住民自身の対策を求めています。

ハクビシン・アライグマからの被害を受けないためには、まずはご自身で対策を行い、予防することが大切です。

同じページの「ねぐらをなくしましょう」には、すき間を頑丈なものでふさぐことと、煙の出る殺虫剤や忌避剤で追い出すことが、住民がやる対策として書かれています。そのうえで、こう補足しています。

(補足) 自費で行う工事を発注する前には複数の見積書を取り寄せ、工事内容や請負金額について確認することをお勧めします。

ただし「どこも完全に自費」ではありませんでした。 当サイトがハクビシンの記事で開いたページに、例外が2つあります。

  • 港区は、捕獲された場合、箱わなを回収するときに、希望すれば周辺の消毒はします。侵入口や隙間の遮断作業と、軽微な場合を除く糞の清掃はしません
  • 熊谷市は、埼玉県ペストコントロール協会の会員業者が施工する追い出し・清掃と消毒・侵入口封鎖などの費用を、半額・上限5万円まで補助します(市税を滞納していないことなど、条件があります)

ここが、市役所と業者の境界線です。

  • 捕獲:自治体の制度が使える場合がある
  • 追い出し・侵入口の封鎖・糞尿の清掃:基本は自分で業者に頼む。費用を補助する市もある

害獣被害でいちばん厄介なのは、実は捕獲ではありません。入ってきた穴を塞がないと、また入られます。 そこは、ほとんどの自治体で制度の外側です。

(訂正:2026年10月11日) この節は当初、「131自治体を通して、共通してやっていないこと」として「侵入口の封鎖・清掃・消毒」を挙げ、どれも自費だと書いていました。誤りです。 131自治体のデータベースは制度の型を調べたもので、封鎖や清掃の扱いを131件すべてで確かめたわけではありません。そのうえ当サイト自身が、消毒をする港区と、封鎖や清掃の費用を補助する熊谷市を別の記事で紹介していました。また世田谷区について「ねぐらを塞ぐ工事や追い出しは自費で行う工事だと明記されています」と書いていましたが、ページにあるのは上の補足の一文で、そこまでは書かれていません。2026年10月11日に世田谷区・港区・熊谷市のページを開き直して、この節を書き直しました。

世田谷区自身が「相見積もりを取れ」と書いています

もうひとつ、世田谷区の公式ページに書かれていたことです。

複数の見積書を取り寄せ、工事内容や請負金額について確認することをお勧めします

行政が、相見積もりを勧めています。

当サイトも同じことを言っています。業者のサイトに載っている「他社との比較」は、比較される側が作ったものです。 4社を公表情報だけで並べた記事を書きましたが、それも当サイトが作ったものです。最終的に金額を比べられるのは、自分で取った見積書だけです。

自分の自治体を調べる手順

この記事に出てくる4自治体以外にお住まいの方が、ほとんどだと思います。 調べ方を書いておきます。

① この形で検索する

(自治体名) ハクビシン 捕獲
(自治体名) アライグマ 捕獲器 貸出
(自治体名) 害獣 補助金

② lg.jp で終わるURLだけを見る

lg.jp は地方公共団体しか使えないドメインです。業者のサイトが書いている「◯◯市の制度」ではなく、市の公式ページを直接読んでください。 業者のまとめ記事は更新が止まっていることがあります。

③ 最終更新日を見る

この記事で確認した4自治体は、いずれも2026年7〜8月に更新されていました。 制度は動きます。古いページの内容を前提に動かないでください。

④ 確認すべきことは5つです

  • 対象になる動物は何か(ハクビシンは対象だがイタチは対象外、という自治体があります)
  • 捕獲器の貸出や業者派遣があるか
  • 捕獲した動物を誰が処分するのか
  • 補助金があるか、申請の順序はどうか
  • 追い出し・封鎖・清掃は制度の対象か(たいてい対象外です)

それでも業者に頼むことになる場合

自治体の制度を使っても、侵入口の封鎖と清掃は残ります。 そこは自費です。

当サイトでは、害獣駆除業者を公表情報だけで調べた記事を出しています。順位はつけていません。 対応エリア、代表者名、資格、所属団体、保証、料金が公開されているかどうかを、同じ形式で並べただけです。

そして、業者に頼む前に自治体に電話してください。 補助金がある自治体では、業者を呼ぶ順序を間違えると補助が受けられません。

各社の調査記事

順位はつけません。同じ項目を、同じ形式で並べています。

駆除ザウルス

AAAアライアンス5社が運営。全社の代表取締役名と、施工スタッフ10名の実名・顔を公開しています。保証が付かない場合があることを明記している唯一の会社です。

ハウスプロテクト

運営は株式会社GROWTH。わな猟・狩猟免状の番号を11件公開しています。代表者名・設立年・料金表は公式サイトにありません。対応は32府県で、茨城県は含まれません。

害獣プロテック

運営は株式会社花光と株式会社廣光の2社。料金・代表者・設立年の記載はなく、10年の破損保証も条件は非公開です。東北は福島県のみが対象です。

害獣BUZZ

販売会社は株式会社リブシー。2023年4月設立で、代表取締役名は公開されています。対応エリアは地図のみで、都道府県の一覧は公開されていません。

出典

  • 環境省「捕獲許可制度の概要」(env.go.jp)(2026年9月10日確認)
  • 世田谷区「ハクビシン・アライグマ対策」(最終更新 2026年8月4日/2026年9月10日確認)
  • 船橋市「アライグマ・ハクビシンの捕獲用ワナの貸し出し」(最終更新 2026年8月19日/2026年9月10日確認)
  • 岡崎市「アライグマ、ハクビシン、ヌートリア用の捕獲檻の貸出」(最終更新 2026年8月28日/2026年9月10日確認)
  • 山形市「タヌキ・ハクビシン捕獲等費補助事業について」(最終更新 令和8年7月31日/2026年9月10日確認)

この記事に誤りを見つけた場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ、記事内に訂正を追記します。 自治体の担当課の方からのご指摘も歓迎します。

制度は変わります。 この記事の内容は確認日時点のものです。実際に申し込む前に、必ずご自身の自治体の公式ページと窓口でご確認ください。

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